日々の泡

いろんなものの習慣付けに使うブログ。ブログ名は頻繁に変わります

好きなもの05「山椒魚戦争」カレルチャペック

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山椒魚戦争 (ハヤカワ文庫SF)

山椒魚戦争 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

チェコの文学巨匠カレルチャペックさんが書いたSF小説

ロボットという言葉を作った最初のひとりだと言われている。
ちなみにチェコ語で「奴隷」という意味の言葉から作られたそうだ。

 

ロボット (岩波文庫)

ロボット (岩波文庫)

 

 

人間ではない、人間と同等の知性を持った生物を人間が見つけたら、どうなっていくか、という話。

貿易商(?)が辺境の地に名産を探しにいったら、人の子どもくらいの大きさ山椒魚、しかも、道具が使えて、こちらの言葉も理解できるという山椒魚を見つけて、それが世界を巻き込む大事件と発展していく。

山椒魚がきもかわいい。

たどたどしくしゃべったり、なついたり、仕事したり
独自の宗教観、満月の夜に集まって踊ったりするかわいいやつ。

黒人のモチーフなんだよな、と思う。

あんまりわたしも詳しくはないけど、聞いた話によると、白人が黒人を発見したときに「これは人間なのか、そうではないのか」とすごい議論になったらしい。

結論としては、黒人は、人間ではなく、人間が豊かに暮らすために、神が与えてくださった労働力、という解釈になったそうだ。
ちょうど山椒魚はそんな感じで扱われる。

SFにはまるきっかけになった一冊。

古本屋で「変なタイトル」だなと思って買って読んだら、これがもうびっくりするほどおもしくて、わたしはこの一冊をきっかけにSF小説をよみあさることになった。
物語構成がよくて、スケールの大きくなりかたがまた良かった。
わたしは小、中学生時代の大半をラノベで過ごし、途中から海外文学とか純文学というものにはまって、あんまり娯楽性の高い小説を読んでなかったせいもあって、こんなおもしろい小説あったんかいとびっくりした。

陰謀論にでてくるものがたくさん。

たとえば、人工地震についても普及されるし、トカゲ人間が敵視されたりするのも山椒魚と似てる。
人間が何か想像するおそろしい知性というものが、モチーフとしてよく出てくる。

種差別意識について考えさせる一冊。

SFでいうとジェイムズティプトリーJrなんかもそうだけど、
人間が他の動物にしている仕打ちと、まったく同じことを、
別の高度の生物にやられたらどう思うか? というのが、SFの大きなカテゴリーの中に一つある。山椒魚戦争はまさにそれ。
そんなこと考えても別に幸せにはならんのだが、わたしはそんなことを考えるのが嫌いではない。

 

たったひとつの冴えたやりかた 改訳版

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歌を作ろうとしてうまくいかなかったことがある。

山椒魚War!」という「さんしょううお うおー!」ってサビで一曲できないものかと何度かがんばったがうまくいかなかった。

映画の第9地区とは似てる。

人類と共感しにくい姿をした知的生命体を蔑ろに扱う話といえば、第9地区はまんま同じで、話のすじは全然違うけど、テーマが同じ。
わたしは評判のいいSF映画である「第9地区」をみてもまったく楽しめなかったのは、先に山椒魚戦争を読んでいたから「うっすいし、スケール小せえなぁ」と思ってしまったのかもしれない。
山椒魚戦争が悪い! 第9地区はおもしろい映画のはずなのに!

 

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モキュメンタリードラマで撮ってほしい。

2時間でまとめるタイプの作品ではないので、モキュメンタリー風ドラマで撮ったらおもしろいなぁと思う。
舞台を日本にして、低予算が適当に撮ってみるのもおもしろいかもしれない。

地震がきたとき、みんな山椒魚がやったのかもしれない、とか、水に毒をいれるかもしれないとかいって、罪のない山椒魚をいっぱい殺すというような話にしたい。

うう、撮りたい!